☆まず初めに サウンドフォントって何? 名前は聞いたことあるけど具体的にどういうもの?どう使うの? という方のために簡単に説明を。 サウンドフォント(名前長いので以下SF)とはサンプルライブラリの規格と、その規格で作られたファイルのことです。 もっと簡単に言うと、サンプラー用の音ネタ。 音声ファイルをSFとしてまとめて、そのSFをサンプラーで読み込むことで使用出来ます。 SFを読み込めるソフトサンプラーはフリー・シェア問わずいくつも存在します。 ☆何故オイシイのか MIDIファイルの鑑賞用にも楽曲制作用にも使えるSFですが SFの良いところはどこかというと、数々のSFがネット上でフリーで配布されているという点に尽きます。 例えば手持ちの音源にイメージに合うドラムの音がないなんていう場合に、ネットでドラムのSFを探してきてソフトサンプラーに読み込み鳴らしてあげる。これだけで簡単に利用出来ます。 もちろんフリーで配布されているということは、ライブラリ作成のプロが作ったものではないため、音の質はバラバラです。 名前ばかりでとてもその楽器には聴こえないようなものから、高級音源を凌駕するような良品まで様々。 SFに期待したいのはやはり、生楽器の音。 ソフトサンプラーなどのVSTiを使える環境にあるならばシンセ音は基本的にVAシンセを使ったほうがいいと私は思います。 SFの生楽器の中には、下手なGM音源より全然マシな音があったりします。 ☆導入の方法 さて、では実際にSFを使おうとした時に、まず何をすればいいのか。 とりあえずはSFをプレイバック出来るサンプラーを用意しましょう。 定番かつオススメなのが、rgc:audioが太っ腹にもフリーで提供しているsfzです。 VSTiとして対応ホストで使える他、スタンドアロンにも対応しています。 このsfzの何がいいって、余計な機能がなくて簡単なことです。SFをプレイバックするだけならばこれで十分。 SFの音を積極的に加工したいなら、より多くの機能を持ったソフトサンプラーを用意しましょう。 さぁ、プレイバックする環境は出来たのでいよいよSFを探します。 前述の通りネット上にたくさん転がっているので検索エンジンで「SoundFont Free」などと入れて検索してもよいのですが なかなかスムーズに思うようなSFをダウンロードするところまでいくのは難しかったりしますので sf2-midiのようなまとめサイトを利用するのがいいと思います。 こういった場所には膨大な数のSFがアップされているし、カテゴリー別の検索も簡単なので自分のイメージに合うSFを見つけやすいです。 ちなみにsf2-midiでは登録が必要ですが、難しいことはないのでフリーメールなどを使って登録してしまうのがいいと思います。 SFは膨大にあるだけに探すのが大変ですが、フリーで欲しい音が手に入るならと思って、そこは頑張りましょう(むしろ、たくさんのSFを落として試していくことそのものが楽しかったりもしますが)。 まずはネット上で噂を調べて評判が良いものを落としたり、GMでセットになっているものを落としたりしてもいいと思います。 ☆実際にSFを使って曲を作ってみる時 実はSF初心者にオススメなのが、ドラムです。 ドラムは比較的当たり外れが少なくて、どのフォントでもそれなりに使いようがあるし 曲を作る側としては、ドラムのネタはいくつあってもいいものですからね。 ということでドラムのSF探しから入ってみようと思います。 sf2-midiで「Drums」カテゴリーで出て来たBest Drums。 これをダウンロードして、ホストに立ち上げたsfzに読み込んで使うわけです。 なかなか良い感じのアコースティックドラム。 そのまま打ち込んでプレイバックするとこんな感じですがパーツごとにエフェクト処理とパンニングをしてあげるとこんな感じで多少聴き栄えがよくなります。 市販の音源と違って、エフェクト込みでしっかりした音色が作られていたりはしないのでこっちが凝る必要はありますね。 そんな調子でベース、ピアノ…とどんどん楽器を追加していって完成した曲がコレ。 ●サウンドフォントのみ使用オリジナル曲『窓辺』 エフェクトとか色々使って工夫していくとフリーのフォントでも結構なサウンドになってくれると思います。 ☆最後に 私の曲がどれだけSFを活かして魅力的に聴かせられたかは別として、あたかもソフトウェアのGM音源を使うように簡単に曲が作れてしまいました。 そして音質も、もちろん何万円もする高級音源には敵わないかもしれませんが、手元に良い音源がない場合には手を出してみる価値はあると思います。 それだけでなくSFの中には一般的な音源に収録されていないような珍しい楽器・奏法の音や、ユニークな録音状況のものもあるので 高級音源を持っている人には全く価値がないかというとそうでもないのです。 SFを使う上でのメリット・デメリットを簡単に箇条書きにしてみると メリット ・膨大な数の楽器音をネットを通じて入手出来る。 ・プレイバック環境まで含めて、フリーで揃えることが可能。 ・非常に上質なものや、希少なネタなども含む。 デメリット ・数が多いが質もピンキリなので、自分が納得出来るものを見つけるのに手間がかかる。 ・波形容量の節約を徹底しているものが少ないというのがあり、メモリを大量に消費する(当然、マルチサンプルなど魅力的なものほど大容量) ・整った録音環境で作られているものばかりでないため、曲にした時音質がまとまりにくい場合がある。 といった具合になりますでしょうか。 これまでSFの存在をほとんど知らなかった方や食わず嫌いをしていた方で この記事の解説を読んで「意外と簡単じゃん」と思ったり曲を聴いて「わりと良い音じゃん」とか感じた方、是非導入してみることをオススメします。 |
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