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Abakos2 (Free.VSTi) |
2VCOのヴァーチャルアナログシンセ。 見た目はアナログチックでちょっと高級感ありますね。カッコイイ。 最初からプリセットも250以上用意されているということでとっつきやすそうだし、興味を惹かれました。 早速詳しく掘り下げていきたいと思います。 まずは、難しいことを考えずにプリセットを試奏。 良くも悪くもくすんだ感じの音です。ローファイと言ったら違ってきますが。 アナログチックで、なんだか年季が入った音に聴こえます。 デジタルシンセ風の明るくキレのあるサウンドの逆といった感じ。 プリセットは、効果音ばかりです(笑) [Bass]とか[Pad]とか書いてあっても、かなり豊かに音色変化する飛び道具的な音色が多い。 プリセットも大体聴いたので各部をいじり始めると、なんとも操作しにくい。 ツマミの数値が、ドラッグせずともクリックした位置にパッと移動するんですが、ツマミひとつひとつが大きくないのでこの方式はやりづらいですね。 ドラッグで微調整しようとしてもちょっと動かしただけで数値がかなり動いてしまうので、いちいち神経を使う。 ついでに負荷もこのテのシンセとしてはかなり高いので、こういった部分の好感度は低いです。 気を取り直して、オシレーターが裸(フィルタースルー)で聴ける状態で音を出してみます。 波形の性質は、まぁまぁ。 なんとなくおとなしめでチープですがこのシンセのキャラクターだと思います。 Sine・Saw・Pulseとシンプルな3種類を搭載しています。リングモジュレーター完備。 そしてフィルターの利きですが、これがどうもいまひとつ。 カットオフを下げきっても音が消えないし、レゾナンスを上げてもうまく発振しません。 シンプルな構成のアナログシンセとしてはここで頑張りたいところなだけに、残念。 ちなみにフィルターにはデジタル・アナログの2タイプがあるようなんですが、どちらも似たような感じです。 なんでしょうね…オシレーターもおとなしいしフィルターもおとなしいので、どうもここでの音作りの幅がすごく狭いように感じるんです。 例えるならこのVCO・VCFそれぞれが「2」で、それぞれもう少し頑張って「3」にしてやれば 2×2=4 から 3×3=9 に、つまり作れる音の幅が2倍にもそれ以上にもなりそうなのになと(わかりにくかったらすみません) 各オシレーターのボリュームはパネル右上[MIXER]で調節可能。細かいことですがこれが左上のオシレーター部から遠いので オシレーター部でデチューンとか調節していてちょっと片方ボリューム下げたいなとかって時に面倒です。 しかしこのミキサー部ではノイズ音を出力することが可能で、オシレーターを切ってノイズだけ鳴らすことも出来るのはちょっと嬉しいところ。 そういった仕様的な可能性を秘めているだけに尚更、フィルターが微妙なことが惜しまれる。 これでもっとよく利いてバンドパスなどのタイプも充実したフィルター部があれば効果音やパーカッション作りの幅が俄然広がるはずなので。 ちなみにプリセットにはこのノイズを上手く使って雰囲気を作っているものが多くあるんですが 裏を返すとそういった技を利かせないと勝負しにくいシンセでもある、と感じました。 オシレーターとフィルターは紛れも無くアナログシンセの「核」だと思うんですが、そこがいま一歩。 サブ的な機能としては、ポルタメント、ビブラート、トレモロ、ワウワウ、そしてディレイ等があります。 特にビブラート・トレモロ・ワウワウがツマミひとつでかけられるのはすごく良いですね。 しかし…このワウワウ(LFO)ではパルスワイズが設定出来るのにオシレーターにはないっていうのがちょっと(笑) 全体的にですが、「もっと肝心なところを頑張って!」ともどかしくなるシンセです。 ディレイとか2基あるADSRは全く普通なので特に書きません。 ●サンプルソング(リズム以外Abakos2、外部エフェクトはリバーブ一種とマスタリングコンプ) 同じような仕様の他のシンセと比べても、決して作れる音の幅は広くないのではないかと思います。 暖かみのある音が欲しい場面では使えると思いますが、色々と頑張って作られているのでもっと上を期待したくなりますね。 プリセットの効果音にも魅力的なものがあります。 現状の音・操作性・負荷では、積極的に使おうとは思えないのが残念なところ。 |
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