(独自のGUIなし)
DX10    (Free.VSTi)
このDX10はJX10と同じくmda製プラグインでフリーウェアのFMシンセです。
(ヴァーチャル含む)アナログシンセやいわゆるPCMシンセしか扱ったことのない人間にとっては、FMって未知ですよね。
今までレビューしてこなかったこともありFMについてアレコレ喋りたい気持ちもありますがなるべく脱線しないようにしたいと思います。
というわけでとりあえずここではFM音源についての説明は割愛。

まずこのDX10ではオペレーターの組み方(アルゴリズム)が固定となっているようです。
その中でキャリアとモジュレーターのエンベロープやLFOなんかを設定可能。
キモである周波数変調関連は、[Coarse(Ratio)]でモジュレータの周波数を、[Mod Init]なんかでかかりの深さを調節するようです。
FMシンセというと難しいイメージがありますがこのDX10は非常にシンプルですね。
しかもFMシンセの波形=サイン波なイメージがありますがDX10は多少変えられる模様。
何故かヘルプファイルの内容とシンセパネル上の表記が一致しなかったのでパラメーターに関しては多少推測ですが(汗)

プリセット音色は少数ながらもやはりFMシンセのオイシイところであるエレピなんかが入っています。
アルゴリズムが固定であることなどからディープな周波数変調を楽しませてくれるシンセではありませんが、簡単な操作でいわゆるFMらしい音色を得られるという点で優れたプラグインだと思います。
「さぁFMシンセいくぞ」って感じよりも、「ここはただのアナログでなくてFMシンセのキャラが欲しいかも」なんて場面で軽いノリで使えそう。
FMの難解さの払拭に立ち向かった結果なのでしょうかね。
エレピやベースだけでなく管なんかもわりとリアルだったりしてシンプルながら面白いです。

●サンプルソング
(ドラム以外DX10。エフェクトは空間系を少し使用)

FMシンセのオイシイ部分を持ちながら、「音源」としての扱い易さにこだわったこのDX10。
独自のGUIはなく操作性等への追求はある意味捨てていますが、その分動作は軽いし先入観無く使えますね。
難しいことを考えずに曲にFMサウンドを取り入れられ、優秀であると思います。
あえて惜しい部分をあげるとすれば、シンプルであるが故フィルターを実装していないことや高音域はどうしても少しノイジーになることでしょうか。

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