SONARのPEに付属してくる、REX2ファイルをプレイバックする機能を持ったグルーブサンプラー。 REX2とは、PropellerheadのReCycleで作られるスライス情報を持ったオーディオファイルのことです。 REX2ファイルを読み込み、トリガー用のMIDIノートを送信してやると制作中のソングのテンポに同期してループ素材が再生されます。
ただ単にテンポ同期したループオーディオ、ということだったら、SONARのトラックビューに直接素材を貼り付けられたほうが便利に感じますが RXPでは、スライスを簡単に並べ替えたりスライス情報をMIDIファイルとして吐き出す機能が用意されているのです。 なのでスライスごとにMIDIでトリガーすることができ、パターンの組み換えが容易です。 ドラッグ&ドロップで素早くMIDIをホストに落とせるので、非常に直感的。 SpectrasonicsのStylusの簡単なやつといった感じでしょうか。
基本的にはすごくシンプルなプレイバッカーであるこのRXPですが、グルーブを面白く扱うためにいくつかの機能が用意されています。 まずマルチモードフィルターはエンベロープ付きで、スライスごとにエンベロープが適用されるという仕様。 アンプのエンベロープもスライスごとに利くので、随分ノリを変えられます。 あとはサンプル全体のピッチをコントロール出来たり、ピッチをランダマイズしたりと攻撃的な機能もあります。 とても扱いが簡単だしシンプルな分軽いので、プレイバッカーとして使いやすいものですね。
SONAR6に付属してくるREX2ライブラリは、300MB程度なんですが結構良いです。 やはりループとして需要が多いHipHop、R&B、ドラムンベース系が中心で、それなりの数入っていて実戦で役に立ちそうな内容。 質感的にもグルーヴ感的にも良い感じでルーズだったり、程よくエフェクティブ。 リズムだけでなくインストのループも多少あったり。アコースティックなドラムやパーカッションもあります。 十分使えるライブラリで、しかもRXPを使えばスライスごとにトリガー出来るのであたかもワンショット集を使って打ち込んでいるかのようなことも出来るので ある意味膨大な波形を持ったひとつのドラム音源のようにも感じられます。
REX2ライブラリは色々と市販されているので買い足していくことが可能ですね。 ちなみにRXPはREX2以外にも.wav.aif.aiff.sfz.oggといった形式のファイルを読み込めます。 ただしアシッダイズWAVEを読み込んだとしても、スライス情報は認識されません。
使ってみての感想としては、やっぱりMIDIで自在にパターンを操れるのが便利すぎです。 REX2万歳といったところでしょうか。 先日作ったPentagon Iのサンプルソングでも、RXPでドラムループを鳴らして重要な場面転換ではフィルを作ったりパターンを組み替えたりしています。 ACIDループをSONARのループコンストラクションで使ったりCycloneから使ったりしても同じようなことは出来ますが あたかも普通のMIDI音源を使っているかのようなわかりやすい作業感はやはり魅力です。 フィルターの利きも良いしパラメーターはオートメーション対応なので、ホストでカットオフのカーブを描けばLFOをかけたかのようにだんだん音が変化していくリズムを作ることも出来ます。 要望を書くとすれば、ピッチのランダマイズが面白いのでスライスの並びのランダマイズも出来ればさらによかったですね。
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