SONAR6 PEの目玉として登場したドラム音源。 高品位なマルチサンプルを持ち、さらにいくつものジャンルを網羅したリズムパターンを自身が持つタイプのプラグインです。 単体販売するとかも言われていますが、気になっている人多そうなんでレビューしてみましょう。
このプラグインの内容を整理しますと、Session Drummer 2はアコースティックドラムに特化した音源で、デフォルトでいくつかのキットが入っています。 ジャンルごとに分けられたキットを専用のブラウザーから選ぶと、そのジャンルのリズムパターンがパネル上のAからHのボタンに割り当てられていて 簡単にプレビューしたりそのまま曲中で鳴らしたり出来ます。 さらにこのプラグイン自体は簡単なドラムサンプラーのようになっているので、特定のパーツだけ違うものに差し替えたり ゲインやピッチなどをコントロールすることが可能です。
出音の感想としては、まぁ期待通りというか、素直にいい感じです。 加工される前の生ドラムのリアルなサウンドです。 キットの数はそれほど豊富ではないものの基本的な生ドラムはいけるでしょう。 ちなみに、タンバリンやカウベルは入っていますがコンガとかパーカッション類は入っていません。
キックもスネアも、しっかりとベロシティレイヤーが組まれているので 弱く叩くとアタックのゆるい音で、強くするにつれてだんだん張りが出て抜けのいい音になってくるあの実際のドラムの感じが気持ちよくプログラムされています。 特に個人的に良いと思ったのは、金物系のリアルさですね。 シンバル類のサスティンも自然で、かなり気持ちがいいです。 この音質は、ハードシンセではまず追いつかないと思います。 ただソフトシンセでいうと優秀なドラム音源はたくさんあるので、それらと張り合えるほどかというと微妙ですね。
使い方としては、まずブラウザでジャンルを選びキットを読み込んで、用意されたパターンをプレビューして納得がいけばGOといった感じでスムーズです。 用意されたMIDIパターンはそのままホストにドラッグ&ドロップで読み込めてしまうので、曲のリズムパターンを組むのが非常に快適。 この辺りの操作感は、相当優秀です。 音のリアルさでは数十GBも波形容量を持つようなドラム音源には敵わないかもしれませんが、これは適度に軽いし操作も快適なので、そういう意味では非常に扱いやすいドラム音源。 読み込まれている各パーツはマルチアウトが可能なのでミキシングもやりやすいです。
細かいことを言うと、MIDIを鳴らしている時は現在発音しているパーツのパッド(キックとかスネアとかの四角い画像)が光るので、わかりやすいんですね。 逆にパッドをクリックして読み込んだ音をプレビューすることも出来ます。 しかも、パッドの下のほうをクリックすると弱いベロシティで、上のほうをクリックすると強いベロシティで発音するという配慮の行き届いた設計。 このインターフェイスは軽いので、自前サンプルを読み込んでドラムサンプラーとして使うのにもかなり良いですね。
全体の感想としては、とっても使いやすいプラグインで、音質的にも癖がなくいいですし MIDIパターンも気持ちのよい仕上がりなので、かなり満足です。 使えるプラグインであることに間違いはありません。
●サンプルソング1 ●サンプルソング2
サンプルソングにはリバーブとコンプを使ってます。 プラグインとしては意図もわかりやすく完成度が高いものなので、あとは使う人が音を気に入るかどうかでしょうか。
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