SONARのSE/PE両方に付いて来るSonitus:fx suiteの中のステレオコンプレッサー。 上位版SONARを導入して驚いたのがこのコンプの質の良さでした。 非常にお気に入りで、導入してすぐガンガン使ってます。
基本的にはスレッショルド、レシオ、Kneeの設定でコンプレッションのカーブを作りアタックとリリースのタイムを設定するオーソドックスなもなのですが 極端な設定にしなければ歪んだりせずにキレイに自然にかかるので、レベルを揃えたり音圧を稼ぐのが簡単で使い勝手抜群です。 ピークリミッターを装備しているので、ピークを突きがちな動きの激しいソースに対してピークリミッター的に使うのもOKですし 普通にコンプレッションする時も、どんな操作をしても出力が0dBを超えることがないのでクリップに神経質になる必要がなく、とても安心感があります。
基本に忠実な仕様のこのコンプですがユニークな点が少しだけ。 まず圧縮のカーブタイプに「Normal」と「Vintage」の2種類があり、「Normal」ではよくある普通のコンプの感触なのですが 「Vintage」に切り替えると、圧縮しながらもパンチの効いたウォームなサウンドになります。 だからといって「このコンプでビンテージアナログサウンドまでバッチリ!」とまではならないですが やはりコンプは、Kneeを含めカーブのタイプで別のコンプに感じられるぐらい変わるのでバリエーションがあるのは有難いことです。 「Normal」「Vintage」どちらのカーブタイプのサウンドも良いので、両方活用していけそうです。 ちなみに「Neve33609」や「UREI 1176」などビンテージの名機をイメージさせるプリセットも用意されていて、通すだけでそれっぽいので面白いところです。
ユニークな点ふたつめですが、普通にリリースタイムを設定して使うことが出来るほかTCR(Transient Controlled Release)というアルゴリズムを利用することが出来るということ。 TCRとは最適なリリース・タイムを自動的に検出して適用する技術らしいのですが、これによる自然なコンプレッションが可能になっています。 慣れないと使いどころを見極めるのが少し難しいかもしれませんが、面白いですよね。
シンプルでコンパクトなパネル、しっかり揃えられたメーター類、中央にコンプレッションカーブが大きく表示されるわかりやすさ… Sonitus:fx suite全体に共通することになりますが、操作系統の使いやすさも抜群です。使っていてストレスがないですね。 しかも、軽いです。 シンプルながら良く出来ているので、万能で素晴らしいコンプですね。 使える場面は物凄く多いと思います。
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