テンポシンク可能なステレオディレイ。 タイムやミックスバランス等しっかり左右独立して扱えるのが特徴的です。
ディレイ・タイムの設定可能範囲の幅は0.1ms 〜 4000.0ms。 普通に使う分には十分といった感じの範囲ですかね。 Factorというドロップダウン項目を使うと1/4, 1/3, 1/2, 2/3, 3/4, 1, 3/2, 2…といった音楽的なタイミングでタイムの設定が可能です。 完全に左右が独立してしまっていると左右の情報が共通しているシンプルなディレイを作るのに作業が2倍になってしまい不便ですが その辺は[Link]ボタンが用意されているのでぬかりなし。 ちなみに[Link]ボタンを押しても元々ある相対的な数値の差に関しては保たれます。
テンポシンクのモードに関しては3つあり、 シンクさせないでタイムのみで設定するか、マニュアルでテンポを入力するか、自動でホストにシンクさせるか選べます。 その他、まぁ普通のディレイですが、便利なフィルターも用意されています。 Low filterとHigh filter。 これ、シンセを使っている人間だとつい間違いそうなのですが、Low pass filterとHigh pass filterじゃないようです。 Low filterはローをカットしてHigh flterはハイをカットするんですね。 併用可能で、それぞれQも設定出来ます。 これ、Qを最大値(一番キツイ設定)にしてもあまり極端な効果は出ないんですよね。 どうせならもっと変態的なところまで持っていければ面白かったんですけど。
あと変わりどころの機能としては「Diffusion」ですね。 これはでこぼこした空間をシミュレートしてエコーを拡散させるちょっと他のディレイでは見かけないような機能なのですが かけていくと横の広がり感と響きが変わります。 狭い部屋か洞窟で響いているような、そんな印象をちょっと与えます。 これをかけてフィルターも使って、ディレイタイムを短くしフィードバックを上げていくとルームリバーブかフランジャーのような効果が出たりするのですが 面白くなってクロスフィードも上げたり極端にしていて遊んでいたらハウリングのような音になって大音量が出てしまいました。ご注意を(笑)
シンプルで使いやすいディレイですが、前述した通りフィルターをもうちょっと積極的に使えるようにするとか Wet音のピッチをよれさせることが出来るとか、そういう部分があるとより面白かったかもしれませんね。
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