「Modulator」という極めてシンプルな名前からは想象出来ませんが、これ実は一台にいくつもの役割を凝縮した優れものなんです。 Flanger / Ensemble / String Phaser / Phaser 6 / Phaser 12 / Tremoloという6種類のモードを揃えていて、それぞれ全く違った効果を生み出せます。 簡単に言うと、フランジャー・コーラス×2・フェイザー×2・トレモロを詰め込んだエフェクトってところです。
各モード全てに解説は付けませんが、どれも扱いやすくしっかり効きます。 [String Phaser]というのはアナログストリングスのサウンドの再現を狙ったモード。 パッドにかければ上品で気持ちいいうねりと広がりが生まれます。 [Ensemble]はもうちょっと複雑にうねる感じですね。
内部構造的には左右それぞれのチャンネルに対してLFOが立ち上がり、波形(数種類用意されています)にそってソースを変調しています。 [Phase]ツマミを使えば0〜180°で2つのLFOの周期をずらせるので、結果的に音の共通点が少なくなりステレオ的な広がりを出せます。 その他、まぁオーソドックスなモジュレーションの機能を備えているのですが 少し面白いのが入力信号に対して使えるEQ。 簡単なローカットかハイカットしか出来ないのですが、これとDry/Wetのミックスを上手くやると、高域あるいは低域のどちらかだけに変調効果やステレオの広がりを持たせてやることが可能になります。 例えばリズムトラックのハットにだけフランジャーをかけたい場合大袈裟にローカットしてハットだけ残しフランジャーをかけ、ドライ音(これはもちろんドライなのでEQ適用されてません)と混ぜてやる、といった具合。
Sonitusのプラグイン全般ですが、一台で色々な役割をこなせるので複雑にいくつものプラグインを使わなくても済むところが嬉しいです。 フランジャーはテンポシンクがあるとさらによかったでしょうか。
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