TTS-1 |
SONARシリーズにVer.4から標準バンドルの定番プラグイン。 Roland製サウンドセットを積んだGM対応のサンプルプレイバック音源です。 16マルチティンバーで、オールマイティに様々なジャンルこなせるプリセットを備えています。 いわゆる「これ一台でOK」的な音源。 単体で販売されているHyperCanvasと違うのは見た目くらいなので、HyperCanvasのレビューも兼ねてってことでやっていきたいと思います。 Rolandと言えば、ハードのDTM音源として一世を風靡したSCシリーズなどが有名で TTS-1もある意味その流れの音源(ソフト版)とも言えますが、サンプリング周波数などオーディオ的音質がSCより上なので音のキャラクターはかなり違っています。 ハイファイで煌びやかさのある音色は、どちらかと言えばSDっぽいですね。 音色数的には「とにかくメチャクチャ入ってます」ってほどではないです。 基本的な楽器音に的を絞って、音色選択で困らない程度の数に収まっています。 そもそも今の時代として考えれば非常にサンプルの波形容量自体小さいので、音色のバリエーションや質的に見ても、Sampletank2やHyperSonic2には劣るかなという感じです。 音色のエディットなどはツボを抑えたパラメーターが用意されていて、機能的にはシンプルな分使いやすいので、簡単なプレイバック音源が欲しいというケースにはマッチしそうな一品。 音に関して、やはりさすがは老舗Rolandだなぁと思わされるのは、音質的に変に細かったりローファイだったり癖がなく、非常に使いやすいサウンドだという点です。 馴染むとか使いやすいっていうのはあまり深い響きはない言葉ですが非常に重要なことだと思いますね。 生ドラム、アコピ、ストリングス、ブラス…リアル系音色はどれも完パケは厳しいと感じざるを得ないクオリティではありますが、それほどミキシングに対して本格的な意識を持っていなくても MIDIを打ち込んで鳴らせばそれなりでまとまって聴こえるというのは、マルチ音源としてはある種魅力です。 個人的に、エレピやナイロンギターなんかはわりと使えると思いました。 細かい部分では、本体パネル上に用意されている[PREVIEW]ボタンを押すとその楽器に合ったフレーズを自動演奏してくれるのがナイスですね。 音色を選んでいく上でとても有効な指標になります。 ここで鳴らすフレーズを聴いた感じでは結構良い鳴りだったりしますし、この音源の場合MIDIデータの作り込みによってかなり結果が変わってきそうです。 負荷が軽い上マルチティンバーで扱いも簡単なので、スケッチ用音源として使う目的だったり そんなに特殊な音色や迷ってしまうほど豊富な音色バリエーションがあっても困り、MIDIデータ制作に凝ってひとつの音源を使い込んでいきたいタイプの趣味ユーザーの人とかには わりとオススメ出来る内容です。 本格的に使っていきたいなら、エフェクトを内蔵ではなく外部のものに替えたり、コンプなどで音の迫力を出す工夫が必要になりそうですね。 個人的な要望としては、ドラムの音色にはもっとバリエーションが欲しかったなという感じです。 ●サンプルソング (Distortion、Wah Wahやマスタリングエフェクトなど、いくつか外部プラグインを使っています) 今更単体でHyperCanvasを買うとなると微妙な感はありますが、使い勝手の良さを考えるとなかなか良いプラグインですね。 |