実践音色作り!

シンクリード

シンクリード
DreamStationのオシレーターにこれ見よがしに装備されている[SYNC]
今回はコレがどういうものなのかを探りつつリード音色を作っていきたいと思います。

今回のセッティング


講座本編でも触れていますが、そもそもSYNCとはあるオシレーターのピッチをあるオシレーターのピッチに強制的に合わせ込ませる機能です。
兎にも角にも、まずはOSC2をONにして[SYNC]をクリックして緑に点灯させてやりましょう。
この時点でOSC1はOSC2のピッチにロックされます。
するとどういうことが起きるかというと、演奏しながらOSC1の[tune]をグリグリ動かしていっても、ピッチは変わりません。
普通だったらOSC1とOSC2のピッチがズレて和音になるはずなのにそうならないので、SYNCによりOSC1のピッチが強制的に合わせ込まれているんだということが確認出来ます。
OSC1のピッチがOSC2に合わせ込まれるという以外は、それぞれのオシレーターが通常通りの動作をします。

SYNCの何が面白いかというと、違うピッチに強制的に合わせることによって波形が歪むことです。
ただキレイにピッチを合わせるだけの装置ではないわけです(アナログモデリングシンセといってもピッチの不安定さまではモデリングしていないので、そんな装置は意味がないですよね)
サイン波でも倍音が出たり、ノイジーに歪んでディストーションギターのような音になったりとセッティングによって色々面白い音が出ます。
SYNCによる音色の変化は、OSC1またはOSC2のtune(ピッチの高さ)の設定にかかっているというところが重要です。
ここではOSC1を50%ぐらいに設定しておきましょう。そしてSYNC効果のかかったOSC1が目立つようにOSC2のボリュームを少し下げます。

1.OSCILLATOR1で鋸波を選択、のtuneを50%に。OSCILLATOR2も鋸波で、volを70%に。

OSC1のtuneを適当な位置にするだけでも変わった波形になって音色が作れてしまうのですが、tuneの動きをエンベロープで自動的に操るとさらに攻撃的で面白いです。

2.USER ENVELOPEをONにし、destにO1を選択。Aを40%、Dを60%、gainを20%に。

こうすることで普通に弾いただけでも「ギューン」と音色変化する音になります。
フィルターエンベロープで与える音色変化ともまた違い、面白いですよね。
このエンベロープの設定は好み次第なので是非自分が気に入るセッティングを探してみてほしいところですが、ここではとりあえずOSC1が一旦上がって降りてくる感じの設定にしてみました。
作るのがリードなのか、ベースなのか、短い音符の演奏なのかロングトーン中心なのかなどによっても変わってくるのでどういう設定が最適か常に探るのがよさそうです。
楽器音として使うなら、DreamStationではgainは30%くらいまでが実用的な範囲のようですね。
とりあえずはここまでの工程で完成。

●サンプルソング

今回はフィルターも使っていませんが、フィルターを使わずともオシレーターだけで色々出来るって意味でSYNCだけでリード音色を作ってみました。
SYNC、RING、FMといった部分がわかるようになってくると、使える波形の幅がぐっと増えるので楽しいです。
フィルターとの複合技で色々出来ますし。

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