実践音色作り!

ピコピコシーケンス

ピコピコシーケンス
シンセらしい、シンセの得意とする音色のひとつにステップシーケンサーと呼ばれる自動制御装置を使ったパターン演奏的なものがあります。
ステップシーケンサ−を使わなくても、歯切れの良い演奏のいわゆる「ピコピコ」した音色というのはよく聴かれます。
ということで、ここでは私がよく使うピコピコ音色の作り方を、曲中での音色の使い方も含めてやっていきます。

今回のセッティング↓


1.オシレーター2をONに、1でPulse波を選択しpwidthを40%に設定。2で鋸波を選択。

まずは波形ふたつをミックスしてみます。
今回は結構しっかり倍音が出ている音のイメージで。

2.フィルターをONに。LP2を選択。cutoffを50%、resoを10%に設定。さらにDを5%、gainを100%に。

中域で歯切れ良く鳴る音にしたいので、そのあたりにレゾナンスで軽くクセをつけつつアタックはフィルターがしっかり開くという設定。

3.オシレーター3をONにして、Pulse波を選択。tuenを-50%に。

フィルターをいじってみて、もう少ししっかりした音にしたくなってきたのでオクターブ下の音程で音を重ねます。
今回の音はすごく短いデュレーション(音の長さ)で使う予定なので、一瞬の発音でもしっかり印象が残るよう派手な音にしていきます。

4.アンプのgainを0%、distを100%に設定。

ここは完全に私の好みで、ひとつの例としてワイルドな音に。
もっとツルツルしたピコピコ音にしたい場合は、distを使わずオシレーター波形に正弦波や三角波を選んでみてもいいかもしれません。
アンプのgainをいじった理由は後でわかります。


ここからはオマケで使い方のヒントを。
オマケとはいうものの「どう使うか」とそれに伴って「どういう音色にするか」は非常に密接な関係があるため、使い方を無視して音色作りは語れません。
で、今回はステップシーケンス的な音色を作ろうとやったわけですが、当然DreamStationDXi2にはステップシーケンサーなんてありません。
なので普通に打ち込んでやりましょう。



こんなふうに短い音符で、16分裏拍なんかを使ってやると効果的です。
これを普通に曲中で使ってもいいですが、このテの音にはテンポディレイなんかをかけてやるとリズムが立体的になり充実感もグッと上がり、とても有効。
しかし、ディレイもまたDreamStationには実装されていないのでした。
となればプラグインエフェクトのディレイをかけてやればいいわけなんですが、今回は別の方法をご紹介しましょう。
別の方法というのは至って簡単で、打ち込んだMIDIトラックを複製して微妙に後ろにズラしてやる、というだけです…



複製したトラックのほうはベロシティを下げて、8分なり4分なり、任意のディレイタイムにズラしてやりましょう。
これで反響音が一回返ってくるディレイ状態の出来上がりです(アンプのgainを下げたのはここのベロシティを有効にするため)。
「なんて原子的な方法なんだ」とお思いになるかもしれませんが、案外あなどれません。
反響音を実際に書き込んでいるから原音と重なって不協和になる部分があればそこだけ音量を下げてやったり、逆に少し淋しく感じる部分にありえないはずの反響音を書き込んでやることも出来ます。
またディレイタイムもMIDIを使った相対指定なので、テンポチェンジにも完全に追従します。
最後に、プラグインエフェクトを立ち上げると思えばその分のCPU負荷が浮きます(笑)
こうしてオケの中で歯切れ良く鳴り響くシーケンスの完成。

●サンプルソング

今回のサンプルソングでは、上記で作成した音色だけでなくドラム以外は全てDreamStationを使用。
適度に様々なプラグインエフェクトをかけています。

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