DreamStationを使ってみよう!

その3〜フィルター〜

3.本格的なシンセサイズ突入、フィルター
オシレーターの基礎がわかったところで、次は「フィルター」です。
これまた基本中の基本。
シンセに馴染みがない人でも、フィルターという言葉は聞いたことがあると思います。
ある成分だけを通過させるもの、また逆に言えば、ある成分の通過を防ぐもの。
シンセのフィルターの考え方もこれと同じと思っていただければ結構です。
そしてシンセにおける「ある成分」とはまさに、音そのものなわけです。

ここでのフィルターを通る音とはDreamStationのオシレーターの音のことです。
DreamStation内部で
[オシレーター]→[フィルター]
と音が流れるということを覚えておくと良いと思います。
オシレーターで音を出して、それをフィルターで加工する。この考え方がシンセを使っていく上で非常に重要です。

フィルターとは具体的にはどういうことなのかと言いますと、シンセのフィルターでは音の特定の「帯域」をカットすることが出来ます。
帯域とは、平たく言えば高音域とか低音域とか音の高低の範囲のことです。
例えばドラムの音でもギターの音でも、高域をカットしてやるとこもったようなヌケの悪い、鈍い音になり、低域をカットすると芯の抜けたようなか細い音になったりします。

●フィルター無し→ローパス→ハイパスのサンプル

どの辺りの高さをカットするかは選択することが出来ます。
ある帯域(成分)を通したり通さなかったり、まさにフィルターですね。
DreamStationをはじめ多くのシンセでは、これを使い音作りをするようになっています。

実際に使ってみたいと思いますが、DreamStationではいくつかのフィルター・タイプが選択可能です。
まずはおそらく最もよく使われるであろうローパスフィルター。
ローをパスする、つまり低音域を通過させ高音域をカットするフィルターです。
普通、これをかけていくとこもったような音になります。



プリセット[Bass: 01-Soft Bass]を選び(画面は01-Sineになってますが)、cutoffと書かれたツマミを右に左にひねってみましょう。
すると音が変わりますよね。左にひねると高域が抑えられます。
cutoffとはどの周波数(音の高さ)からフィルターをかけるかを設定するパラメーターです。
今はローパスフィルターですから、どこから上をカットするかを選択しています。
重ねて言いますが、この状態ではcutoffで設定した周波数より低い音域が通過し、Cutoff周波数より高い音域がカットされています。
基本かつ重要な部分です。

さて、cutoffの隣にresoと書かれたツマミがありますね。
resoはレゾナンスの略で、これもシンセのフィルターを語る上で重要なパラメーターです。
まぁ、ひねってみれば効果はわかるんですが、一応説明すると「cutoff周波数周辺の帯域を強調して音に癖をつけるパラメーター」です。
こんな説明ふぅんと聞いてもらえればいいですから、ホント。
フィルターが利いた状態でレゾナンスを上げていくとどんどん音に癖がつき、場合によっては発振します。キュイーンとかキューンみたいな感じで。
フィルターでの音作りで癖をつけていきたい場合は、カットオフとレゾナンスを合わせて使っていくとよいでしょう。
私は細かい理論うんぬんは使っていくうちに少しずつ知っていけばいいと思うので、まずはなんとなくででもいじってみることです。


…小休止…一気に読んでも恐らく頭に入らないので休み休み読むことをオススメします…


はい、フィルター話の続きで、次にハイパスフィルターをやりたいと思います。
ローパスフィルターに続いてのハイパスフィルターです。
ローパスフィルターではカットオフ周波数より低い音を通し、高い音をカットしました。今度はハイパスフィルターです。
…わかりますよね?笑
お察しの通り、ハイパスフィルターはカットオフ周波数より高い音を通し、低い音をカットします。
切るのが上か下かというだけで、意味や使い方はローパスフィルターと同じですのでローパスフィルターを使えたという人はなんら問題無く扱えるはずです。
DreamStationのパネル上Filterセクションで[HP]というボタンを点灯させればOK。
一応気をつけておきたいのが、ローパスフィルターではcutoffツマミを一番右にひねっている時がフィルタースルー(かかっていない)状態でしたが、ハイパスでは一番右にひねっている時が一番利いている状態です。
まぁこうやって文章にするとなんか厄介に感じますが、実際には何も難しいことはないですし慣れるのも時間の問題です。
ハイパスフィルターを選択した状態でcutoffツマミを左から右にひねっていくと、低音がカットされか細い音色になっていきます。ここまでをしっかり読んで理解している人であれば言われなくてもわかるかもしれません。

で、ですね…フィルターの解説にもう少しお付き合いください。この際基本はしっかり理解してしまいましょう。
ローパスで上を切った。ハイパスで下を切った。
では、上も下も切ることは出来るのでしょうか。
例えばフィルターが2つ装備されていて同時使用可能であれば、片方をローパス、もう片方をハイパスに設定してそれぞれを絞っていけば解決ですが、DreamStationにはフィルターは1つ。
でもご安心を、そこは世の中上手く出来てるもので、バンドパスフィルターなるものがあるのです。
凄く勘の良い人は既にお気付きかもしれませんが、このバンドパスフィルター、上も下もカットします。
というよりも、設定したcutoff周波数周辺の帯域のみを通過させます。
「上を抑えたいとか、下を切りたいとかじゃなくて、狙った帯域だけ出て欲しい!」って時に使いましょう。
DreamStationのフィルターには他にFMモードやkbdスイッチもあるのですが、これらはやや応用なのでここでは省きます。A・D・S・Rとか書かれたツマミも並んでますが、これらはこの後のアンプ解説で一緒にやるので安心してください。
ちなみにローパスフィルターにはLP1とLP2があり、基本は同じですが、LP2のほうがより強力にカットオフ周波数以上の帯域を押さえ込みます。

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